話題の無料食堂もやっている「まるかつ」月に3回は行きたいとんかつ屋さん
目次
まるかつ|アクセス
住所 |
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〒630-8441 奈良県奈良市神殿町667-1 |
営業時間 |
10時~15時 17時~22時 (LO:21時45分) |
定休日 |
年中無休 |
電話 |
0742-81-4568 |
奈良には全国的に有名なとんかつ屋があります。
その名を「まるかつ」といい、全国に店名を知られることになったのは無料食堂を始めたことが理由です。
飽食の国である日本にも、食事に困窮している人達がいらっしゃることはご存知かと思います。
そういった方々に、食事を無料で提供するという試みが、まるかつの無料食堂です。
無料食堂
無料食堂というのは、誰にでもできます。
これを読んでいるあなただって、今すぐにでもツイッターやフェイスブックで呼びかけることができるんです。
「食事に困っている方、食事を提供します。連絡ください」
そんなふうに呼びかければよいのですから。
しかし、私を含めて殆どの人が行動できません。
良いことだと頭では分かっているのに行動に移せません。
1ヶ月に10名ですとか、上限を決めればお金の問題も解決します。
工夫すれば誰にでも出来る無料食堂です。
誰にでもできるのに、誰もが行動に移せないことをするのは大変なことです。
それをやってのけている金子友則店長は凄い。
頭が下がります。
個人でSNSを使って呼びかけるのであれば、自分の都合で調節もできるでしょう。
まるかつは店舗を構え、
「どうぞいらしてください」
と言っているのですから、逃げることも隠れることもできません。
ましてやSNSを通じて、奈良の無料食堂ということて有名になったのでは、今月は先着10名ですとか、そういった調整もできないことでしょう。
これまでにも、来る人を拒んだりはしていないと思います。
お腹いっぱいに食べるということは、豊かな気持ちになれるということ。
それが美味しいとんかつなら豊かな気持ち増し増しです。
私には手を上げて
「私が食事を提供します!」
なんてことを言う勇気も度胸も清い心も持ち合わせていません。
それでもまるかつの店長さんがやろうとしていることを素晴らしいと思いますし、お腹いっぱい食べることで頑張れる人へ私も食事を届けたい。
私にできることは、ただひとつ。
まるかつでとんかつを食べること。
食べて食べて食べて、食べまくること。
こんな私や、まるかつさんの無料食堂に賛同して食べまくっている皆さんを飽きさせない味は、店長が責任持って提供してしてくださいます。(たぶん)
こんなことを書きましたが、私がまるかつさんに通うのは、美味しいとんかつを食べたいからなんですけどね。
でも、とんかつって太りそうじゃないですか。
それでも食べたいって思いますよね。
太るとわかっていても食べたい、そんなときにはこう考えます。
「まるかつでとんかつを食べると、誰かが豊かな気持ちになる」
完全に言い訳やな。
出会いはTwitter
とんかつ屋の「まるかつ」さんは、奈良市神殿町(こどのちょう)にある、一見するとチェーン店のような個人営業のとんかつ屋さんです。
まるかつさんのことを書くにあたって、どうしても避けれないのが冒頭に書かせていただいた無料食堂のことです。
「お子さんに美味しいものをお腹いっぱいに食べさせてあげたいけれど、お金がないときには、コソっと店長に相談してください」
といった内容の張り紙が店の外にこっそりと張られています。
お題は出世払いでも、忘れてもらってもいいと書かれており、かならず払いますといった気持ちをもってすれば、利用し易いサービスだと感じました。
このサービスのスタートは、公式Twitterを見る限りでは2018年5月4日からのようです。
直後からSNSでこの話題は広まり、私もTwitterでまるかつさんを知ることになりました。
そのときの正直な気持ちは
「無料食堂やる飲食店は珍しいな。無料食堂はともかく、とんかつ食べたいからそのうち行ってみるか」
というものでした。
無料食堂の存在は、形態を変えて以前からあちらこちらでありますし、とんかつ屋さんが始めたこと以外では目新しさはありませんでした。
ただ、飲食店が始めたのなら協力し易いなと感じました。
とんかつ食べればよいのですから、私にだってできます。
缶バッチを購入すればよいのですから、これも私にだってできます。
※缶バッチは店長の発泡酒代に消えるそうですが、それも応援の形です。
まるかつさんを知った頃、私には車がありませんでした。
今年の1月に自動車事故を起してしまい、それ以来車のない生活を続けていました。
事故から半年、解決したので中古の車を購入し、やっとまるかつさんへ行くことが出来るようになったのです。
接客が気持ちいい
やっと行くことができたまるかつさんで、始めてのオーダーは「厚切りロースカツ定食 1,580円」ご飯としじみのお味噌汁はおかわり自由。
ごはんは「白ごはん」と「十五穀米」から選べるので、迷わず十五穀米を選びました。
食べる前から「厚切りロースカツ定食が1,580円?チェーン店じゃないと聞いているのに安いな」と疑問と不安が入り混じった気持ちになっていました。
そんな不安を払拭するのが、お店で働いているスタッフの皆さんが見せる笑顔とサービスでした。
むちゃくちゃ心地いい。
チェーン店のような佇まいですが、ここは個人経営のとんかつ屋。
だからこそできるのでしょうか、働いている皆さんが気持ちの良い接客でもてなしてくださいます。
マニュアル一辺倒といった対応ではなく、皆さんがそれぞれの個性と自信をもってサービスを提供されているように感じました。
もちろん最低限のマニュアル(ルール)はあるでしょうけど、全部が全部マニュアル通りとはいきません。
カップルの方もいれば、子ども連れのご家族もいらっしゃるでしょうし、昼休憩のサラリーマンやお代わり3杯くらいしそうな屈強な男性もいるでしょう。
私のように1人でくる、なにやってるかわからないおっさんだって珍しくありません。
そういった、いろいろな客さんに合わせたサービスが提供されているなと感じました。
そのような接客を見ていると、安くて美味しいとんかつが食べれそうな気がしてきたのを覚えています。
厚切りロースかつ定食
配膳されてきた「厚切りロースカツ定食」は、それはそれはりっぱな厚切りロースかつでした。
最初のひと口を食べた瞬間、次はいつ来れるかと考えてしまいました。
さらに、定期的に来るには嫁をまるかつファンにする必要があるから、取り急ぎ今度の土曜日には連れてこよう。
などと、ひと口めを食べ終わる頃にはまるかつさんへ通うための作戦は決まりました。
私の嫁は脂に興味がなく、少々上質であっても脂は脂、食べるならヘレといった人です。
そんな嫁に、このロースなら食べさせることができるし、きっと気に入ると10年以上一緒に暮らしてきた私が分析しました。
十五穀米
十五穀米は、穀物食ってる~っという感じ。
私は自宅で白米を食べません。
滋賀県の農家さんから直接玄米を購入させていただいています。
そのために滋賀県まで田んぼを見学に行きました。
このくだりは長くなるので割愛しますが、玄米派の私が食べて、穀物食ってる~(しつこい)と思ってしまう感じです。
黒米や小豆のせいか赤黒く染まったご飯は、噛むとぷちぷちと十五穀の内のどれかを噛み潰している歯ごたえが伝わってきます。
白米にはない、この歯ごたえが好きです。
おかわり自由ですが、私の胃袋には残念ながらおかわりできるような余裕はありませんでした。
もちろん白米も美味しいですよ、後日カツ丼やカレーでいただきました。
定食の名わき役達
おかわりができる「しじみの味噌汁」は、しじみが入っていますよ~っといった程度のものではなく、しっかりとしじみの風味が感じられるお味噌汁です。
別皿に盛られたキャベツ、最近はキャベツも高いのに、などと主夫的なことを思いながら箸を伸ばします。山盛りなので、食べ終わるまでにドレッシングを2回に分けてかけました。
ごま豆腐までついているのには驚きましたが、このごま豆腐が本気でごま豆腐です。
何を言っているんだと思われるかもしれませんが、食べていただければこのごま豆腐の本気度がお分かりいただけるかと思います。
どのように感想を述べればよいのか、脇役のくせに主役を食ってやろうかいう勢いを感じます。
定食についてくる漬物にあまり期待はしませんが、まるかつは漬物だって気を抜いていません。
味について語れるほど漬物を食べてきたわけではありませんが、まるかつの定食で出される漬物は、ちゃんと役割をもった名脇役です。
追加で注文したいくらい。
あと、梅干とごま油をあえたやつ(だと思う)も良いです。
私はご飯にのせていただきましたが、食べ方は自由でいいと思います。
かきフライとえびフライ
始めてのまるかつを体験し、興奮さめやらない私は、その夜さっそく嫁に報告しました。
「食べてみたい」
思惑通り嫁をその気にさせて、土曜日にはまるかつへ行くことが決まりました。
私にとっては2度目のまるかつで、始めてのときは迷わず「厚切りロースカツ定食」でしたが、2度目も決めていました。
私はかきフライ&えびフライ定食に追加でミンチカツ。
嫁はかきフライミックス定食。
私の定食はかきフライ3個にえびフライ2本、それにミンチカツを追加です。
嫁の定食はロースカツの小、ヒレカツの小、えびフライ1本、かきフライ1個です。
どちらもなかなかのボリュームです。
ここで特筆すべきことは、嫁がロースカツの入った定食を選んでいること。
はじめて見た。
肉といえば牛でも豚でもヒレ肉というのが嫁の肉の選び方です。
ところが、この日はロースカツが入っている定食を注文しました。
しかもめちゃくちゃボリュームのある定食を選んでいます。
食べれるかな、そう思っているところに運ばれてきた、そのボリュームにしばし圧倒されながらも箸を伸ばします。
かきフライ
去年まで大阪に住んでいた私は、かきフライは梅田にある某洋食屋で食べることが定番でした。とくに不満もなく、いつもそこでかきフライを食べていました。
ところが奈良へ引越しをしたことで「かきフライどこで食べたらええねん」と思っておりました。
引越しから1年と経たずにかきフライを食べれるところを発見しました。
まさかとんかつ屋さんに、こんな立派なかきフライがあるとは思いもよりません。
正直いえば、梅田の洋食屋よりまるかつさんのかきフライが好きになりました。
大きくて、リーズナブル。
お値段のことを言えばいやらしいかもしれませんが、お得感というものをひしひしと感じます。
えびフライ
かきフライ同様に、大阪に住んでいたころはえびフライを食べるならここと決めた洋食屋さんがありました。奈良に引っ越して来て、やっぱりかきフライと同様に「どこでえびフライ食べたらええねん」と思っていました。
答えはやっぱりとんかつ屋さんにありました。
まるかつさんではえびフライを食べることができます。
このえびフライ、そこらのえびフライと名乗っているえびフライとはちょっと様子が違います。えびフライの大きさが街の食堂で食べるサイズではないんです。
どこぞのホテルのランチなら納得もできます。
1人5,000円以上するようなホテルランチならこんなもんでしょう。
ここは町のとんかつ屋、場違いにもほどがあります。
その大きさはもとより、衣とえびの対比が素晴らしい。
たい焼きが好きなのでたい焼きで例えますが、頭の先から尻尾の先まで餡子みっちりといった感じです。
えびの味が濃くて、カニよりえび派の私には最高のえびフライです。
大葉塩とタルタルソース
かきフライやえびフライにはタルタルソースが添えられますが、大葉塩も出してくださいます。
天ぷらを食べに行くと、カレー塩を出されることがありますが、まるかつさんは大葉塩です。
この大葉塩で、とんかつ、かきフライ、えびフライ、ぜーんぶイケます。
レモンを絞ったかきフライに大葉塩をまぶしていただくと、タルタルソースでいただくより、かきの味が際立ちます。
かきもえびも素材から美味しいためか、大葉塩でいただくと素材の味が際立つように思います。
私は食の評論家ではないので、この辺り表現が稚拙でお恥ずかしいです。
とにかく大葉塩で食べてみてくださいということ。
ダブル玉子かつ丼
とんかつ、かきフライ、えびフライをそれぞれ味わったところで、次に食べるものを決めました。
ダブル玉子かつ丼ご飯半分、えびフライとかきフライのせです。
実際に注文するときに「のせれますか」という問いに店員さんが、しばし考えます。
もしのせれないなら別でも良いですよと伝えたときのオーダー票が、そのまんまに書かれていて、手書きのオーダー票独特の趣を感じました。
結果、のっていましたとも。
ダブル玉子かつ丼の上に、どーんっとのっていました。
いい歳してどんだけ食べるんだって話ですが、20代なら唐揚げものせていましたね。
がっつきたいときは、ダブル玉子かつ丼に好きなものをのせると幸せメーターが振り切れますよ。
ただ、このままでは食べきれないので、私はご飯半分です。
アジフライ
ダブル玉子かつ丼も食べたことで、次の目標はアジフライと決まりました。
大阪にいた頃、アジフライはスーパーの惣菜コーナーで買うか、街中の定食屋でアジフライ定食として食べるか、ちょっと奮発して阪急百貨店で買うかの3択でした。
アジフライも好きなので、結構な頻度で食べていました。
なんとまるかつさんでは、アジフライまでも食べることができます。
まるかつどんだけ守備範囲広いんだ。
食べたい物に優先順位をつけ、上から食べてきてたどり着いたアジフライ。
しっかりとした肉厚のアジは、スーパーの惣菜よりも阪急百貨店の惣菜売り場にあるようなアジフライです。
夏場はビールのお供にアジフライを買って帰るし、立ち飲み屋でもアジフライを食べるほどにアジフライが好きな私をどこまでもよろこばせるまるかつさんとの出会いに感謝です。
かつカレー
アジフライも食べたところで、いよいよ次のメニューはカレーです。
ザ・国民食と言われるカレーは、大人も子どもも大好きなメニューです。
ここまできて「あ、カレーね。外せないよね」と素直に受け入れていませんか?
まるかつさんはとんかつ屋です。
にも関わらずカレーまでメニューにあるのは違和感があります。
カレー屋さんがとんかつを揚げてかつカレーを提供しているのだから、とんかつ屋さんがカレーを作ってかつカレーを提供したっていいじゃないか。そんなところでしょうか。
とにかく私だって例に漏れずカレー好きです。
しかし、とんかつ屋さんでメニューを選ぶ時はさすがに優先順位は低かったので、カレーにたどり着くまでに何度もまるかつさんへ足を運ぶ必要がありました。
やっと食べることができたまるかつさんのカレーは、まったく想像していなかった、ザ・洋食屋風カレーでした。スパイシーだったり、家庭風の野菜カレーではなく、デミグラスソースのようなコクと甘みを感じる優しいカレーです。
これは大人も子どもも大好きな味ではないでしょうか。
私が注文したのはロースかつ、えびフライ1本、からあげ2個がのった人気者カレーです。
デミグラスソースのようなカレーがとんかつにも合うのですが、えびフライにめちゃめちゃ合います。
これまでの経験からごはんは少なめでお願いしましたが、途中で食べるのをやめて休憩するほどにボリュームがありました。
今度からカレーのときもごはんは半分にします。
まるかつはこんなところ
何度も言いますが、まるかつさんは守備範囲が広い。
とんかつを食べれるところを探してたどりついたまるかつさん。
えびフライとかきフライでも満足させてくれるのに驚いていたら、アジフライだって大満足のクオリティーです。
カレーまでもまるかつさんで食べることができるとなれば、がっつりと食べたいときはまるかつ一択です。
1度足を運ぶと、アレも食べたい、コレも食べたいとなり、嫌でも何度も足を運ぶことになる。そんなとんかつ屋さんです。
店内には食前酢が置かれています。
私達夫婦は食後に口の中をすっきりとさせたくて、食後に飲んでいます。
お1人様1杯までですが、とても美味しいので是非飲んでみてください。
商品によっては、揚るまでに15分ほどかかるものもありますが、店内に貼られた店長の言葉を眺めていれば退屈しません。
テーブルの上にはアンケートが置かれているので、お時間があれば書いてみてください。
もれなくいいものがもらえますよ。
駐車場は広いので、停めれないということもないでしょう。
定休日はありません。
ドアのところに「正月は休ませていただくとおもいます」と書かれているので、きっとお正月はお休みだと思います。
大手チェーン店ではないので、大量仕入れでコストを下げるなんてことはできないと思います。そんな中で、少しでも安くとんかつを提供するですとか、従業員の方々にも十分な給与を支払うというのは大変なことです。
長く営業を続けていただくために、全国にまるかつの看板を立てるためにも「食べる」という応援を続けてゆきます。
- 見た目はチェーン店、実は個人店
- とんかつ以外におすすめたくさん
- 店員さんの接客は思いやりに溢れてる
- かつ丼にトッピング盛ると幸せ
- 少食気味の人はご飯半分がおすすめ
- 店内には店長の言葉がびっしり
- 働いている方が楽しそう