三輪山登拝やってみたいけれど、誰でも登れるものなの?

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三輪山とは

大神神社 鳥居

三輪山は御神体です。
御神体とは、本来は見えることのない神様が宿っているものを指します。
通常御神体は本殿(ほんでん)と呼ばれるところに安置されていて、一般的には見ることがありません。
本殿に安置された御神体、すなわち神様へ祈りを捧げるところが拝殿(はいでん)と呼ばれるところです。
皆さんがお賽銭を入れて、お祈りするところが拝殿です。
その奥に本殿があり、そこに神様がいらっしゃいます。

大神神社には本殿がない

拝殿の後ろに本殿がない

大神神社(おおみわじんじゃ)には拝殿はあっても、本殿はありません。
本殿がない神社は他にもありますが、本殿のない理由は様々です。
御神体が大木ですとか、大きな岩ですとか、沼が御神体という神社もあります。
そういった場合は本殿を設けないことがあります。
正確には本殿に安置することができないともいえます。
大神神社の場合はお山が御神体のため、とても本殿に安置できるようなスケールではありません。
そこで、お山の前に拝殿を設け、お山に向かって祈りを捧げるわけです。

三つ鳥居

拝殿とお山(三輪山)の境界に、有名な三つ鳥居があります。
一般的な鳥居は1つです。

大神神社 普通の鳥居
桧原神社の三つ鳥居画像
桧原神社の三つ鳥居

大神神社の三つ鳥居は公開されていないので、写真を持っていません。そこで桧原神社(ひばらじんじゃ)の三つ鳥居を掲載しました。(ネット上で見ることはできるので、興味のある方はそちらをご覧ください)
三つ鳥居は本鳥居の両脇に脇鳥居があります。
現在の鳥居は、明治16年(1883年)に作り替えられたものです。
通常、鳥居は人がくぐれるようになっていますが、この三つ鳥居には御扉(みとびら)という扉が取り付けられています。
内開きの板扉だそうですが、どういったときに開けられるのかはわかりません。
桧原神社の三つ鳥居は格子状ですが、大神神社の三つ鳥居は板扉です。

登拝とは

さて、お気づきでしょうか。
一般的には見ることもできない御神体。
大神神社の御神体は三輪山です。
ありがたいことに、ここでは御神体をみるどころか、登る(その中に入る)ことができるのです。
このように、お山に登ることでお参りをすることを、登拝(とうはい)とよびます。

大神神社と蛇

大神神社に訪れると、あちらこちらに卵と日本酒がお供えされているのを目にします。
これは、大神神社の御祭神である、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)の化身が蛇であったという由来によるものです。
大物主大神は、大黒様の名でよく知られている、国土開拓の神様です。
このような神格化された蛇は白蛇ときまっていますが、大物主大神にまつわる蛇は「白」だとか「黒」だとか諸説あるようです。
とはいえ、絵に描かれている蛇は白蛇です。
奈良県奈良市疋田町にある三輪神社へ行ってみましたが、そこでも白い蛇の絵が掲げられていました。

パワースポット

境内にもあるパワースポット

パワースポットとしても有名な三輪山。
特にパワースポットには興味なかったのですが、大阪にいる頃から何度も通っていました。奈良に引っ越してきて、通いやすくなったのが嬉しいですね。

以前はお山にも登っていましたが、最近は登らずに大神神社の拝殿で済ませることがほとんどです。私は登らなくなっていますが、登る人は増えていると聞きます。
パワースポットという言葉の影響なのか、様々な人が三輪山に登ろうと集まって来ているそうです。
日本各地にパワースポットと呼ばれるところがありますが、それらは観光スポットでもあります。
当然のようにマナーも低下し、山の中で撮影する人や、食事をする人までいると聞きました。
パワースポットに引き寄せられて来るような人が、ルールを守らずに場を汚すようなことをするようでは、なんのためにパワースポットに来られるのだろうと不思議でなりません。
冒頭で紹介させていただいたように、三輪山は御神体です。
敬虔な心をもって訪れていただきたいと思います。

  • 飲食の禁止(水分補給は可)
  • カメラなどでの撮影の禁止
  • 火気の使用
    他にも受け付け時に、いくつかの注意事項について説明があります。
    一見すると登山やハイキングのようではありますが、登拝はお参りであることにご注意ください。

三輪山は近所の公園ではありません

公園ならサンダルでも大丈夫

通常、神社では拝殿から本殿に向かって参拝しますが、三輪山はお山が御神体です。
その御神体に入ることができるのは、本当にありがたいとこです。
過去は女人禁制だったのが、そういった区別もなくなり、誰でも登拝できるようになりました。
「ありがたい所へ入らせていただくのだ」といった気持ちを持って、三輪山へ行かれる人が増えれば良いなと思っております。
そんな三輪山ですが、みんなが登っているのだからと軽い気持ちで来られる方が多いです。
人気に拍車がかかる以前からそうでしたが、女性ならサンダルやパンプス、冬ならブーツで登っている人を見たことがあります。
男性なら革靴で登っている人をよく見かけました。

ハイキング用のトレッキングシューズを買ってまで用意した方が良いとは言いません、せめてスニーカーにしましょう。これは安全のためではありません。
足が疲れ過ぎないように、あくまでも疲労予防です。
安全を考えるなら、ハイキングのときに履くような、トレッキングシューズが理想です。
この場合の安全とは、滑落とか遭難といった、登山やハイキングに想定されるような命に関わる事態のことを言っているのではありません。
主に捻挫(ねんざ)予防のためです。
三輪山は皆んなが登っているということで、だれでも簡単に楽しく登れると勘違いされているように見受けられます。

確かに標高467mと非常に低く、数字だけ見ていると誰でも簡単に登れそうです。
いわゆる登山と比較すれば、誰でも簡単に登れる山であることは間違いありません。
しかし、それは登山やハイキングレベルで比較した時の話です。
この記事を読んでくださっているあなたが、普段から趣味で1,000m以上登るようなハイキング、山小屋を利用するような計画的な登山をされているなら、私なんかが口をさ挟むことはございません。

三輪山 | イメージ写真 | 登れる?

私の経験と言えば、2,000mに満たない低山を日帰りでのんびり楽しむ程度です。歩くのが好きで、夏山を20km以上歩くなど、ハイキングが趣味でした。
山のゴミを拾いながら登る、ボランティアなんかにも参加していました。
三輪山へは山道に氷が張った真冬も、汗が滝のように流れる夏も登りました。
10回以上登ってみてた私が考える、三輪山登拝のための心得と準備を紹介させていただきます。
三輪山は撮影が禁止されているので、山道はこんな感じですよとお見せすることはできません。
しかし、ある程度の勾配があって、大小の石が転がるような歩きにくい山道でも、写真で見るとたいしたことはないんです。
三輪山には山道を歩いたことがない人は、これが道かと思われるようなところもあります。
最初は整備された、平らな未舗装の道が続くので、なんだ楽勝じゃないかと思われるかもしれません。
私が撮った、他の山の写真を参考に掲載します。

平らな未舗装の道

三輪山にも小さな小川があります。小さな小川に掛かった小さな小さな橋を渡って右に小川を眺めながら登りますが、その辺りも元気に楽しく登れるはずです。

とある山中の小川越え。よく整備されている。

小川を眺めながらの道もすぐに終わり、本格的に高度を上げて行きます。
東京タワーが333メートル、三輪山は467m。
低山といっても、東京タワーよりも134m高く関西を代表する高層ビルの、あべのハルカスよりも167mも高いのです。
東京タワーや高層ビルは整備された階段があるので、それこそ誰でも登れます。
階段は安全のために滑りにくく工夫されていますし、手すりだってついています。
三輪山は違います。
足元は砂と大小様々な石のため滑りやすく、浮いた石に足をのせると、足をひねってねんざすることだって考えれます。

とある山中。整備されているが、石が目立つ。

三輪山ではこの写真よりも階段状で、きつい傾斜の山道が続くところがあります。
雨の後などは落ち葉やぬかるみで、さらに滑りやすく危険です。
当然手すりはありません(一部整備されています)。
足を滑らせたら転倒します。岩や木の根元に転倒すると、思わぬ怪我をすることもあるでしょう。
怖がらせるつもりはありません。
きっちりと準備をすれば、ほんどの人が登って、無事に下山することができます。
ではどのような服装、準備が必要でしょうか。そのあたりは次の記事で紹介させていただきます。

一度は登ってみたい三輪山登拝 | 服装や靴はどうすればよいの?

三輪山登拝について、ご注意いただきたいことは下記の記事にまとめました。
登拝されるは一読していただければと思います。

三輪山を登拝するときに注意事項をまとめました

大神神社 | 三輪山 | アクセス

 

住所
〒633-8538 奈良県桜井市三輪
電話
0744-42-6633
FAX
0744-42-0381
公式サイト
http://oomiwa.or.jp/

 

  • JR三輪駅から歩いていける
  • JR桜井駅からタクシーが便利
  • JR桜井駅からバスもあるにはある
  • 他府県からだと小旅行レベル




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